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-第316章- 交通事故

昨日、今日と
『24時間TV』 という番組をやっている。

実はマミィ、
この番組があまり好きではない。

もちろん、
感動的なドラマや
良い企画も盛り込まれているし、
これを見て、
勇気や元気をもらう人々も
いるのだろうけれど。



あーちゃんから
あーちゃんからの 誕生日プレゼント




マユチャンが、
「事故で半身不随になった子が
  ウォーターボーイズに挑戦するんだって」

と、マミィを呼びに来た。

マユチャンはウォーターボーイズが大好きだ。

リビングに行くと、
挑戦する子は
かわいらしい顔をした14歳の男の子だった。

マユチャンはしきりに
「イケメンだよねー、絶対にモテるよねー」
と言いながら見ている。

何の事故だったのか、
詳しい説明はなかったけれど、
その事故で、
右半身が不随になったそうだ。
体の半分ということは、
言語障害もあるということで、
TVでは 『失語症』
という言葉が使われていた。

彼の話す姿を見ているうちに、
マミィの古い記憶がよみがえった。



一面クローパー
一面のクローバー




小学校1年生の6月、
梅雨時のうっとうしい日、
マミィは交通事故に遭った。

いや、
はねられたのはマミィではなく、
一緒にいた友達なのだけれど。

マミィは、
記憶力は、かなりいい方だけど、
その瞬間のことは、
どうしても思い出すことができない。

「子どもが轢かれたぞー」
という、
オトナたちの大きな声のところからしか、
記憶がつながらない。

でも、あの日、
足ががくがく震えて恐ろしかったけれど、
マミィは涙の一粒もこぼさなかったし、
いつもと同じように学校に行った。

今だったら、
心のケアというものにも
少しは
気を配ってもらえるのかもしれないけれど、
その時代には、そんな配慮はなかった。



くわぁ~
くわぁ~




それは酷い事故で、
彼は何ヶ月も意識が戻らなかった。

マミィが
お母さんに連れられてお見舞いに行ったときには、
まだ意識がなく、
うつろな目が天井に向けられて
ただよっていたような記憶がある。

喉が切開され、
そこから入れられていた管が
痛々しかった。

そして、
何ヶ月もして家に戻ってきた彼は、
左半身が不随になっていて、
前のように歩くことも、
話すこともできなくなっていた。

そう…、
今日TVに出ていた男の子と
同じ話し方だった。



…なんてね
てへっ




彼は
マミィの一番仲良しの友達だった。
担任の先生に
「いつも一緒にいるから、
  だんだん顔が似てきたね」
と言われていたほどだ。

お隣の家に住んでいて、
いつも一緒に学校に行き、一緒に帰り、
一緒に遊んだ。

時には、お隣のお家にお泊まりもして、
24時間以上も一緒だったこともある。

夕方になって、さよならの時間になると、
二人で玄関の前に立って、

「そっちから先にお家に入ってね」

と、お互いに言いながら、
名残り惜しくて、
どちらも
なかなか家の中に入れなかった。



ふふふっ
ふふふっ




その頃、マミィたちの地域では、
6年生がみんなをまとめて、
それぞれの子供会ごと、
集団登校をしていた。

あんなにびゅんびゅん車の行き交う国道沿いを
小さな小学生たちが歩いて登校するなんて、
本当に危険だと、今は、思うのだけれど。

その日も、一軒一軒の家に寄りながら、
登校していた。

国道を渡り、ある一軒の家に行くとき、
マミィは、道路を渡らなかった。

「私は行かない」 と言い張ったのだ。
なぜ 「行かない」 と言ったのか、
それを思い出すことはできない。

少しして、
一人でいるマミィが気にかかって、
彼が、みんなのいる家を出て、
道路を渡ってきた。
そして、その時に、事故が起きた。

道路を渡りきったところだったか、
渡っている途中だったか、
それも、マミィは覚えていない。



うーん!
うーん!




運転手の脇見運転だったと知ったのは、
少し、大きくなってからだ。

マミィはずっと長い間、
あの事故は、自分のせいだと思っていた。

「もしも私があそこにいなければ、
  あんなことは起こらなかった」

と、自分を責めていた。

「私のせいで起こった事故だから、
もしかしたら、警察が
私のことを捕まえにくるかもしれない。

それに彼は、
私のことを怒っているに違いない」 …と。

意識が回復して、少し良くなってきた頃、
担任の先生がお見舞いに行く子を
クラスの中から
何人か選んだ。

マミィは一番仲が良かったのだから…と、
もちろん、選ばれた。

病室に行ったとき、
彼は、一人一人確かめるように、
「○○ちゃん」、「××くん」 と
名前を呼んでいった。

ところが、
マミィの名前だけは呼ばなかったし、
声もかけなかった。

その時マミィは、
「私は?
  やっぱり怒っているんだ」 と感じ、
心が痛んだ。



気持ちいーなー
気持ち いーなー



それからしばらくして、
もっとしっかりした治療を受けたいからと、
彼の家族は、都会に引っ越して行った。

幼稚園の頃、
カトリック系の幼稚園に通っていた彼が
「きょう、
  いいものをもらったから、
    あげるね」
と言って、
くれた一枚の絵が
その後ずっと、
中学生になって
その家から引っ越しをするまで、
マミィの机の前に貼られていた。

それは、
聖母マリアに抱かれた、幼子(おさなご)、
イエス・キリストの絵だった。

マミィは毎日、
それを見つめていた。

中学校を卒業する頃、
マミィはおとうさんに訊いた。
「どうしているだろうね?」

すると、
「もう生きていないんじゃないかな。
 長く生きても、
 二十歳までは無理だろう。
 内臓破裂で、
 内臓が完全にダメになってしまっていたから」。

もちろん、
マミィがもう一度
大きなショックを受けたことは、
言うまでもない。

中学生の頃、なぜか学校で
当時のことが話題になったときに、
何人かの女の子たちが言った。

「あの子、
 いつも、エミちゃんを守ってたよね」

「エミちゃんが男の子にいじめられそうになると、
 ものすごい勢いで走ってきて、
 男の子たちをやっつけたよね。
 強かったもんね」

「いじめられる? この私が?」

と、マミィは、
そんなことはないでしょ
 …と思ったのだけれど、
もっと驚いたのは、
そういうことが
記憶にないというのではなく、
まったく知らなかったということなのだ。

「何で、私だけが知らないの?」
と。

あの交通事故は、
彼が、マミィを守ろうとしたのか?



おススメだよ、クローバーのカーペット
おススメだよ
  クローバーのカーペット





あの1年生の6月から、
マミィは大きく変わり、
本の虫になった。

本を読んでいると、
気持ちが落ち着いたのだ。

きっと、
活字の世界への逃避だったのだろうけれど、
幼いマミィは、
そんな形でしか、
大きな喪失感から逃れるすべを
みつけられなかったのかもしれない。

それから、元気なマミィになるまで
3年くらいかかった。

朝、元気に家を出て行っても、
必ずしも、その日、
出かけた時と同じように
無事に家に帰って来られるとは限らないということを、
6歳のマミィは、この事故で学んだ。

一瞬にして大切な何かを失い、
人生が大きく変わってしまう
そんな出来事があるのだということを。

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