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-第5章- やっぱり子ブタちゃん

今年、札幌の夏はとても暑く長かった、とマミィが言っても、ぼくにはいつもの札幌の夏も、今年の夏もわからない。
宮崎生まれだけど、宮崎の今年の夏もわからない。
なにぶんにも、生まれてすぐのことだから。

リビングの大きな窓がサークルの横にあり、ぼくはそこから庭の栗の木を見ている。
今は栗の実が落ちる季節なんだそうだ。
ぼくは食べさせてもらえないけど、おいしそうにゆでた栗の実の匂いをかいだ。
ぼくも一度は食べてみたいものだ。

庭の栗


ところで、ぼくが宮崎からここに来る時に入れられていたあの小さなケージの外側に、少し大きめの茶色の封筒が1つ貼り付けてあって、その中に飼い方の説明書が入っていた。
『母子手帳』などというものも一緒に入っていて、予防接種の記録がしてあったりする。
 
それを読んで、不満そうにマミィが言った。
「え~、1日中サークルの中に入れておくの?」

送られてきたケージ

 
説明書に、『1~2週間はケージの中で生活させてください』と書いてあったというのだ。
ぼくはここに来る前も、犬舎やケージの中で1日暮らしていたけどね。

「すずの時もごくうの時も、来た次の日から好きなだけ自由にさせていたのに」。
寝る時や、留守番をさせるときにだけサークルの中に入れていたらしい。

それでも、ものすごく不満そうではあったけど、絶え間なくしきりに動き回る活発なぼくの動きをしばらく見ていたマミィは、結局、サークルの中に入れておくのが妥当だという判断を下した。
それがぼくにとっての一番の安全策だと。

ケージの中でもじっとしていないアルマくん
サークルの中でもじっとしていないアルマくん



それで、1日を過ごすのには今のままでは狭いだろう…と、サークルを広くするために、ダディと一緒にペットショップに買い物に出かけていった。

しばらくして帰ってきたマミィは、開口一番、
「やっぱりアルマは子ブタちゃんだったね」と笑った。
ペットショップにぼくよりも2日早くに生まれた黒ラブの子が2頭いて、ものすごくほっそりしていたという。
「ごくうもあんな感じだったよね」。

あれが普通の子犬でしょ、とも言った。

それから、
「すずもごくうも、来た初日から仰向けになって超リラックスのお腹出しで寝てたけど、この子は、来てから一度も仰向けになって寝てないね。
お腹が重くて、仰向けになると苦しいのかなぁ…」と、仰向け寝は、まるでラブの専売特許ででもあるかのように思っているらしく、いかにも不思議だなぁという顔で、ぼくをみつめた。

ごくうのアクロバット
ごくうさんのアクロバットスリーピング 

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-第2章- 新しいお家

飛行機と自動車の長い旅が終わった。
ぼくがこれから暮らすのは、このお家のリビングだ。

「案外『フツーの』子犬だったね」とマミィが言った。
 
「『大きくなってしまって、子ブタちゃんみたいなんですよ』って言うから、どんなブーちゃんなのかと心配したよね。
オレなんか、今朝、ブタを散歩させてる夢まで見たんだから…」と、ダディ。

どうやら、ぼくが生まれた家のオバチャンが、ぼくのことを『子ブタちゃん』と言ったようなのだ。
失敬な! ぼくは立派なラブラドールの子犬だ!!
 
ご飯を食べた後、少しの間だけ自由に部屋の中を歩き回らせてくれたのに、もう、早々にサークルの中に入れられてしまった。
トイレトレーニングがしっかりできるまで、しばらくはここがぼくの生活の中心になるらしい。

トイレトレーニングって、一体何だろう。
ぼくは好きな時に、好きなところで、ウンチもオシッコも自分でちゃんとできる。

 
ちょっとあきらめ顔


ちょっと不満だから、サークルに敷いてあるタオルをガサガサほじくったり、ひっぱり回したりしてやった。
それでもみんなして知らん顔してるから、キュンキュンと可愛らしく鳴いてみた。
…なかなか開けてくれない。

ちっとも出してくれないから、もう少し悲しそうにキューンキューンとやってみた。
本当に泣きたくなってきた。
それなのに、どうしても無視を決めこんでいるようだ。
 
しばらくは頑張って鳴いていたぼくも、効果がないのでやめた。
あきらめは、けっこうあっさりと早いほうかもしれない。
それに、鳴いているうちに疲れて眠くなってしまったんだ。


子豚ちゃん

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-第1章- 10月8日



今日は、どれだけたくさんの音を聞いただろうか…。

ゴーゴーというものすごく大きな音や、ゴロゴロと何かを運ぶ音、何人もの高い声や低い声。

朝からぼくは小さな箱のようなモノに閉じ込められて、その中でじっと、入れ替わり立ち替わり次々に耳に入ってくるその音たちや、色々な匂いにドキドキしながら、長い時間を過ごした。
 
そろそろ暗く狭い場所にうんざりしてきた頃、突然にぐらりと大きく体が揺れて、身動きのとれない箱の中で、ぼくは少しじたばたした。

急に明るい所に連れて行かれたので、ちょっとまぶしくて、ぼくは目をぱちぱちとしばたいた。

それから、そのせまっ苦しい空間で上手にお座りをした。


ANA貨物カーゴ


ぼくが入っている箱の扉のまん前に、めがねをかけた知らない女の人の顔があって、ぼくの姿を見ようと、しきりに目をまんまるくしていた。

しばらく何人かの男の人たちがやりとりする声があって、また箱が少し揺れた。
今度もどこかに運ばれていくのかと思っていたら、すぐに静かにコトン…と止まり、体が安定した。

車の匂いがした。


飛行機から車へ


「どうやって開けるのかな」という男の人の声が聞こえた。
「ここを押すんじゃないの?」と、次には女の人の声。
 
スウッと箱の扉が開くと、水の入った大きな入れ物が、ぼくの目に飛び込んできた。

長い時間飛行機に乗るぼくは、酔わないように朝から何も食べていなかったので、とってもお腹が空いていたし、喉も渇いていた。

そーっとそーっとから顔を出すと、
「アルマ、お水だよ」と、女の人と男の人が口々に言った。

ぼくはちょっと緊張しながら、ゆっくりと水の中に舌を入れてみた。
口の中がひんやり気持ちよかった。
乾いた喉を通って、空きっ腹に水がじわじわとしみこんでいった。

このくらいでおしまいにしようかと思ったんだけど、何しろ喉がからからだったものだから、つい止まらず、ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃと、舌を忙しく動かし続けた。


水を飲むアルマくん


「ずいぶんよく飲むね」と、男の人が言うと、
「よっぽど喉が渇いているんでしょう」と、女の人が答えた。

どうやら、これがぼくの新しいダディとマミィなのだと、この時になってぼくはようやく気がついた。

車の中には、3人姉妹の末っ子の『マユチャン』も乗っていた。
『マユチャン』は中学3年生だ。

それからぼくは新しいマミィに抱きかかえられて、車の中に連れて行かれた。
マミィの手から少し甘くおいしそうな匂いがしてきたので、指をくわえてチュパチュパ吸ってみたけど、おっぱいは出てこなかった。
だからちょっとカミカミしてみたけど、やっぱりお腹の足しにはならなかった。

「さっき食べたソフトクリームの匂いがするのかな?」とマミィが言った。
何だ、もう食べちゃった後なのか…。
 

家に向かう車の中で


それからまた長い長い時間その自動車に乗って、ようやく千歳空港から札幌の家に着いたのだった。




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『アルマくん成長記』 -序章-


 
やぁ、ぼくは黒ラブラドール・レトリーバーのアルマくんだ。
え? なぜ自分に『くん』をつけるんだよ…だって?
それは実に簡単な理由だ。それは、ぼくがまだ赤チャンだからさ。

ぼくは2012年8月19日生まれ。
今日は9月11日だから、生まれてまだ1ヶ月にも満たない。
正真正銘、立派な赤チャンだ。
 
マミィは現役警察嘱託指定犬で、事件現場や、行方不明捜索にも時々出ている。
ダディはショードッグ系で、とても格好の良いハンサム犬だ。
どちらも英国系でおとなしいので、ぼくもきっと立派なオトナ犬(いぬ)になるんじゃないかな。
 
今日、これからぼくが一緒に暮らしていく新しい家族が決まった。
10月、もう少し大きくなったら、ぼくはここ九州の宮崎から、北海道の札幌という所に行く。
どんなお家なんだろう。どんな人たちなんだろう。
楽しみだなぁ。

その日が来るのを、短い首を一生懸命に長くして待つことにしよう。


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